PROGRAM

プログラム

開催日:2023年3月4日(土)
会場:理化学研究所 和光キャンパス(C00 本部棟 2階大会議室)

13:30 ―
会場にて受付開始
14:00 ―
オープニング
14:05 ― 14:25
影山 龍一郎

影山 龍一郎神経幹細胞研究チーム

トーク1
老化する脳を若返らせる
—神経幹細胞の活性化と記憶力回復

さまざまな細胞へ分化する能力をもつ神経幹細胞。ヒトの脳も神経幹細胞をもとに胎生期に形作られます。実は大人の脳にも神経幹細胞は特定の場所に存在し、新たなニューロンを産生し、学習、記憶、認知機能に重要な役割を担っています。しかし、加齢とともに新しいニューロンを生む能力は衰え脳機能も低下します。幹細胞の活性化と抑制のカギを握る遺伝子を特定しコントロールすることで幹細胞を若返らせ、新しいニューロンを生み、脳機能を回復できることが研究で見えてきました。神経幹細胞とヒト脳の可能性を一緒に考えましょう。

14:30 ― 14:50
豊泉 太郎

豊泉 太郎数理脳科学研究チーム

トーク2
人の知能とコンピューターが融合する未来
—そのカギをにぎる? 脳のゆらぎ

コンピューターと脳は違ったやりかたで計算しています。コンピューターは同じ入力には同じ答えを出しますが、脳が今日出す答えと明日出す答えは違い、ひらめきや新しいアイディアを加えることができます。また、コンピューターの記憶装置は変化しませんが、脳内で記憶をになうシナプスは、学習をしていないときでも常にゆらいでいて変化しています。その「ゆらぎ」という性質に注目し、脳がどのように学習しているのかを考えます。

14:50 ― 15:05
休憩
15:05 ― 15:25
Hakwan Lau

Hakwan Lau意識機構研究チーム

トーク3
無意識的な想像
—Unconscious Imaginations

私たちの脳の神経細胞は、ボーっとして何も考えていない時でも活動しています。この無意識で行われている活動は、意味のないノイズではありません。例えば、無意識状態で起こっている脳活動を人為的にコントロールすることで、蜘蛛などちょっと怖いものに対する恐怖心を減少できることが実験でわかりました。無意識のうちに物事をイメージする脳活動には、一体どんな意味があるのでしょうか?

15:30 ― 15:50
林(高木) 朗子

林(高木)朗子多階層精神疾患研究チーム

トーク4
神経細胞の民主主義が壊れるとき

神経細胞の活動パターンが脳の情報処理の本質です。神経細胞は1万個という膨大な数のシナプスから電気信号を受け、これらの信号の総和により、活動するか否かが決定されます。すなわち神経細胞の活動はシナプスの民主主義で決定されるのです。私たちの研究室では、このシナプス民主主義が崩れる現象を発見しました。このような時に脳の中で何が起こるかをお話しします。

15:50 ― 16:05
休憩
16:05 ― 16:40

パネルディスカッション

竹内 薫

竹内 薫(司会)
サイエンス作家